国立分区2022年度までの活動はコチラへ。

 


分区長に就任して

 

はじめる覚悟、変える覚悟、やめる覚悟

 

国立分区 大島 克己

 

 題名のことばは今年のお正月の日経ビジネスに載っていた標語です。

 保護司になると必ず最初の研修で金原明善の偉業が保護司会のルーツとして語られます。金原は当時政治犯として入獄していた川村矯一郎から監獄の窮状を聞いたことによって、出所者の保護を目的に勧善会を組織し、日本で最初に出所者の保護事業をはじめたと伝えられています。

 

 それが「はじめる覚悟」でした。

 

 それから140年余りの月日が経過し、特に戦後は保護司会という官と民が合体したような制度が確立して現在に至っています。

 しかし、少子高齢化に加えて定年制の延長といった過去に前例のない社会の変化は保護司に限らず共生社会の下支えをする担い手をどんどん奪っています。

 

 保護司になる人がいないのです。

 

 今は「変える覚悟」が必要な時期になっています。

 国立分区でも約6割の保護司が職に就いています。70歳を過ぎても働いている人も増加しています。今後はこの傾向は増えることはあっても減ることはないでしょう。もう定年後の時間に余裕のある人を前提にした保護司制度自体を変える時期にきていると思います。

 ただ制度を変えるのは国の役割です。保護司の人材確保のために保護司会でできることは、職に就いている人でも保護司会や依頼された活動に参加しやすい環境の整備と過去から継続してきた事業の見直しくらいでしょう。

 

 国立分区では、今年度から月一回程度行っていた保護司会の会議を年間4回に削減し昼間の開催もやめました。会議の時間も1時間程度に縮減しました。会議の縮減のために資料の事前配布を原則としました。社会を明るくする運動を含めた分区事業もやめることも含め見直しの検討を行っています。

 また、ボランティアなのに会費を徴収していることに疑問をもつ保護司も多いことから分区の会費も廃止する方向でこの2年間は徴収をやめています。

 

 「変える覚悟」は時として「やめる覚悟」が必要になります。

 やめるとなると過去からずっと継続してきた様々な活動の意義と伝統が話題になります。もしかしてできないのに無理して事業を継続してきたことも多いのではないでしょうか。

 我々は恐れずに「やめる覚悟」をもって保護司会の活動、とりわけ分区の活動を見直す時期なのかもしれません。


【2024年の活動】


令和6年度総会開催

 

2024年4月22日(月) 18:30~19:40

於:商工会館さくらホール

 

 今年度の総会が多くのご来賓(林本保護観察所保護観察官、栁川北多摩西地区保護司会会長、永見国立市長、大川健康福祉部長、小鷹健康福祉課長、更生保護女性会会長、林桐友会国立分区長)ご列席の元、無事開催されました。25名中24名(委任状含)の出席で成立し、すべての報告、議案が承認され、新しいスタートが始まります。


【2023年度の活動】


2024年1月9日~14日に国立旧駅舎にて

「未来に向かって~平和と人権についての子どもたちのメッセージ」

入賞作品展が開催されました

 

市内中学生から寄せられた、国立市“社会を明るくする運動”「アイデア募集」の優秀作品、「人権作文」のうち国立人権擁護委員賞を受けた作品、小学生の「人権メッセージ」、が展示されました。

駅を利用する多くの市民に読んでいただき、

子どもたちの考えていることが広く伝わったことでしょう。


社会を明るくする運動「児童・生徒のアイデア・意見募集」表彰式開催

 

「児童・生徒のアイデア・意見募集」は社会を明るくする運動事業の一環として実施されました。

市の再犯防止計画の策定に児童・生徒の意見を反映する目的で始まり本年で3年目になる活動です。今年度がその集大成の年となります。

 

次代を担う市内の公立学校に通う小学5年生、中学2年生、高校生全学年を対象に「 (小学校)いじめや犯罪をどうしたらなくすことができるでしょうか」、「(中・高校生)SNSの普及によるいじめや犯罪との関連性についてあなたはどう考えますか」をテーマに国立市に対して意見やアイデアを提案していただくという趣旨の事業です。

今年度は合計249点の応募があり、最優秀賞をはじめとして、小学校の部3点、中学校の部3点、高等学校の部1点、佳作17点が選ばれました。


社会を明るくする運動「リカバリー・マーケットくにたち」開催

 

日時::2023/11/18(土)09:30~15:30

 

令和5年度第73回 国立市”社会を明るくする運動”の一環として、「全国刑務所作業製品(CAPIC製品)即売会 リカバリー・マーケットくにたち」が、旧駅舎東側広場で開催されました。

 

保護司会は、この運動に賛同する他の団体やボランティアの方と共に参加しました。

更生ペンギンのホゴちゃんと国立市のゆるキャラのくにニャンも、応援に来てくれました。

また、谷保天満宮例祭の行灯絵の「地口絵」をTシャツにするという保護司のアイデアとデザインで向日葵をモチーフとしたオリジナルTシャツを作成しました。「陽に向かい 笑って 笑って 凛と生き抜く」

 

会場には多くの人が訪れ、製品を手にとり、販売員と言葉を交わし、購入をしていきました。

製品を通じて、犯罪や非行をした人たちの改善更生の支援や理解につながることを願います。


令和5年第54回くにたち秋の市民まつりが開催

 

日時:2023年11月5日(日)

 

国立分区の保護司会は、駅前の大学通りを行進するオープニングパレードに参加し、駅までの1km程を行進しました。行進後に国立駅をバックに記念撮影。奥には再建された旧駅舎の三角屋根が、その上には晴れ渡る秋空がいっぱいに広がっています。

 

パレードの後には市民表彰式典が行われました。

社会福祉功労の分野で「保護司活動を通し、地域社会の調和に努め、犯罪のない明るい社会づくりに貢献した功績」として、国立分区の保護司2名が表彰されました。

式典の中で「国立市の歌合唱」があり、受賞者の方々へのお祝いと感謝の歌声が響きました。

 

保護司受賞者:

木村清逸(きむら せいいつ)氏

山村良朋(やまむら よしとも)氏

 


藤岡ダルク訪問

 

日時:2023年9月6日(水)

 

今回、管外研修として藤岡のダルクを視察しました。

参加者は保護司21名(全26名中)、市職員2名の計23名。

施設は、日常の喧騒から離れ、自然豊かな場所に在り、ゆっくりとした時間が流れている場所にありました。

 

全国各地にあるダルクは、薬物等依存症からの回復支援という共通の目的を持つ一方で、各施設がそれぞれの理念や方針に基づき運営されています。

藤岡ダルクは男性のみが対象で、入寮定員40名。回復には一定の期間がかかり、入寮期間は2年間位必要とのこと。

入寮者2名の方が、ご自身の経験や経過、現況を話してくださった。

依存を断ち切ることがどんなに苦しいか、どんなときにまたやりたくなってしまうか。回復へ希望と共に、道のりの困難さも伺うことができました。

 

沖縄の伝統芸能である琉球太鼓(エイサー)は、心身の健康的な回復、向上を目指したプログラムで、慰問活動等の公演を通し、地域交流と社会貢献の経験を積んでいます。

エイサーを学び、練習を積み、課題をクリアした者たちだけが太鼓を持ち、踊ることができとのこと。

堂々とした態度と迫力のある踊りから、技術の見事さと共に強い思いが伝わってきました。


「社会を明るくする運動」横断幕設置 6月30日

 

 7月の強調月間に向けて、JR国立駅前にある円形公園に恒例の横断幕を設置いたしました。

 あいにくの雨に見舞われましたが、市役所の福祉部の職員の皆様、多くの保護司の参加によって無事設置が完了いたしました。

 


第73回国立市“社会を明るくする運動”がスタート!

 

 6月21日(水曜日)、国立市役所において「社会を明るくする運動」の内閣総理大臣メッセージ伝達式を行いました。

 「社会を明るくする運動」は、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、犯罪や非行のない安全・安心な地域社会を築こうとする全国的な取り組みです。

 毎年7月はその強調月間にあたり、伝達式により今年の「社会を明るくする運動」がスタートしました。今年も引き続き国立市では、地域や関係機関と連携し“犯罪のない安全・安心な住みよいまちづくり”を進めるイベント多数を予定しています。